【国民保護#10】自衛隊はどう動くの?ーサポーターのサポーター


国民保護(こくみんほご)、武力攻撃やテロのときに国民や住民などの避難誘導を手助けする仕組みです。

「武力攻撃など、軍事のことなら自衛隊!」とはならないのが国民保護の仕組みです。

今回は自衛隊と国民保護の関係です。

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国民保護と自衛隊


国民保護(こくみんほご)は、武力攻撃やテロ事件などの時に国民や住民が避難をする・避難を支援する仕組みです。

日本では今まで発令されたことはありませんが、仕組み自体は平成16年(2003)年に創られています。それ以降は都道府県などで国民保護訓練という形で訓練が行われています。

武力攻撃というと基本的には戦闘、戦闘で構成される「戦争」となると…

自衛隊!

というイメージですね。でも国民保護では自衛隊は表には出てきません。国民保護の主役や自分自身と行政機関です。自衛隊はあくまでも脇役です。

国民保護で脇役となる自衛隊、その理由は何でしょうか?

自衛隊が脇役な理由ーメインの仕事がある


国民保護の仕組みでは陸海空自衛隊は脇役になります。主役は自分自身と行政機関になります。

自衛隊が脇役となる理由、それは自衛隊が戦闘行動をするための組織だからです。

国民保護が発動される武力攻撃では、陸海空自衛隊は進攻してくる相手方部隊との戦闘行動に専念します。自衛隊は戦闘行動で相手方を撃退することで結果的に国民を守ることを仕事にしています。

自衛隊は必要最小限の人員と兵器を持つとされる組織ですから、部隊や隊員を国民保護に回す人的余裕は少なめです。そのため避難誘導・救援・被害の最小化という国民保護の仕組みでは脇役になります。

武力攻撃から発生する避難誘導・救援・被害の最小化は、自分自身の行動と行政機関(役所・消防・警察)の2本立てですることになります。

国民保護派遣ー自衛隊が国民保護に関わるとき


国民保護の仕組みは自分自身の行動と行政機関の支援で動くことになります。陸海空自衛隊が一切関わることはないのでしょうか?

実は陸海空自衛隊が国民保護に関わることがあります。それが「国民保護派遣」(こくみんほごはけん)です。「派遣」とは自衛隊がする仕事のことで、国民保護派遣は、国民保護の手助けをするために自衛隊部隊を派遣するというものです。

この国民保護派遣は…

1 自衛隊が武力攻撃に対応する仕事と両立できる範囲で行われます。
2 都道府県知事や対策本部長の要請があった場合で可能な限り、行われます。

という仕組みです。上記の通り、あくまでもできる範囲内で行われる派遣です。自衛隊の仕事は進攻してくる相手方部隊の排除ですから、そちらが優先となります。

要請があった場合はでるんでしょ?

自然災害の災害派遣などでは都道府県知事などの要請があれば出てきやすいですが、武力攻撃の中で要請される国民保護派遣ではなかなか難しい面があります。

自衛隊法もその点は考慮しているようで、都道府県知事・対策本部長の要請を受けた場合でも…

1 防衛大臣が派遣の必要性について、やむを得ないと認める
2 内閣総理大臣が派遣を承認する
3 派遣することが「できる」

としています。国民保護の原則は「自分自身の行動+行政機関の支援」であって自衛隊の派遣は例外的にということを示しています。必要性は防衛大臣が判断し、その必要性はさらに首相が承認が不可欠、そして部隊が絶対に派遣するということではなく「できる」という仕組みだからです。

自衛隊はサポーターのサポーター


国民保護と自衛隊の関係、自衛隊の国民保護派遣の仕組みについてでした。武力攻撃中の自衛隊のお仕事は相手方部隊との戦闘、それに専念することが求められています。専念すること、それは自衛隊が戦闘をすることを仕事にしていて、戦闘に向けて訓練をしているからです。自衛隊にとっての本番の仕事になります。

国民保護では主役は自分自身、そこに行政機関(省庁や都道府県・警察・消防、指定公共機関など)の支援が行われます。自衛隊は行政機関のサポーターのサポーターという位置づけです。

なんでだ!自衛隊が全部してくれ!(# ゚Д゚)

という意見もあるかもしれませんが、最低限の人員と装備とされる自衛隊にはそれほどの余裕はありません。戦闘となれば全戦力で相手に向かわないといけません。戦闘が進むに連れて交代要員も補充要員も必要になっていきます。

別の面で見れば自衛隊という戦闘部隊と一緒にいることはより安全か?という問題も出てきます。相手方部隊からみれば自衛隊部隊を攻撃して排除することは重要、戦闘に「巻き込まれる」可能性はたかまります。

もちろん「絶対安全」ということは絶対ありませんから、自衛隊部隊と一緒にいても、いなくても安全かどうかはわかりません。

国民保護の仕組みの中では自分自身の行動がメインになります。

以上、うさぎの耳(@usaginomimi)でした!m(_ _)m

※この動画は J-CASTチャンネル さんの投稿です。


武力攻撃や大規模テロなどの時に流れるサイレンです。

【うさぎの耳的な今日のポイント】

  • 国民保護という仕組みがあります。

  • 国民保護では自衛隊は脇役です。

  • 陸海空自衛隊は戦闘行動をします。


【関連リンク(註)】
・自衛隊を知りたい >> 武力攻撃事態などにおける国民保護のための取組 - 長崎地本
http://www.mod.go.jp/pco/nagasaki/03public/hogonotorikumi.html

・陸上自衛隊:国民保護等派遣の仕組み
http://www.mod.go.jp/gsdf/about/civil/

・自衛隊法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S29/S29HO165.html#1000000000006000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000

77条の4に国民保護派遣が規定されています。

・防衛省・自衛隊|平成28年版防衛白書|4 武力攻撃事態等及び存立危機事態における対応の枠組み
http://www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2016/html/n2324000.html

・防衛省・自衛隊|平成28年版防衛白書|資料編|資料26 国民保護にかかる国と地方公共団体との共同訓練参加状況(平成27年度)
http://www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2016/html/ns026000.html

・防衛省・防衛装備庁国民保護計画
http://www.mod.go.jp/j/approach/buryokutaio/kokumin_hogo.pdf

・内閣官房 国民保護ポータルサイト http://www.kokuminhogo.go.jp/shiryou/hogo_manual.html

国民保護に関するパンフレットがあります。個々人の行動方法などもここにあります。

・国民保護:総務省消防庁
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/fieldList2_1.html

消防庁の国民保護の担当部署です。

・内閣官房 国民保護ポータルサイト
http://www.kokuminhogo.go.jp/

・武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律 抄
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/h36/h36HO112.html

国民保護法です。

・武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律施行令
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/h36/h36SE275.html