【国民保護#8】消防団と自主防災組織はどう動く?


国民保護(こくみんほご)、武力攻撃やテロのときに国民や住民などの避難誘導を手助けする仕組みです。

国民保護のときの動きを行政機関・公共機関、消防と警察とみてきました。

今回は消防団と自主防災組織のこと、この2つの組織も国民保護での仕事があります。

---
※ブログ記事の元になる記事とリンク先は【関連リンク】に記載しています。
※記事中にある動画を再生する場合,音量にはご注意ください。
---


消防団と自主防災組織ー似ているようで違う組織


消防団と自主防災組織という2つの組織も国民保護の仕組みの中では仕事をすることが期待されています。仕事に入る前にちょっとだけ2つの組織を知ってみましょう。

まずは消防団。市町村単位で作られた消防のための組織。専業の消防官とともに消火活動などを行う兼業の消防の人たちです。兼業というのは普段は会社員や自営業などの仕事をしているからです。仕組み上は「非常勤の特別職地方公務員」という扱いとなっています。

もうひとつの自主防災組織。こちらは災害対応のために作られている住民組織。災害時に自発的に炊き出しや救援、避難所運営などをするための任意団体です。こちらの組織は災害対策基本法で作られている組織で、消防団とは違って地方公務員という扱いではありません。あくまでも自発的に作られた任意の人でなりたっている組織という扱いです。

消防団と自主防災組織。地方の多くの地域では作られている組織、この2つの組織は国民保護のときはどう動くのでしょうか?

国民保護のときのお仕事ー避難と救援と最小化と


消防団と自主防災組織は国民保護の「避難・救援・武力災害の最小化」という3つの分野で具体的にどういう仕事をするの?というお話。

消防団は…

1 地域住民の避難誘導
2 国民保護の警報や情報の住民へのお知らせ
3 負傷者の応急手当や消火活動、被災情報の収集など

自主防災組織は…

1 地域住民の避難誘導への協力
2 避難所での救援物資の配布や炊き出しへの協力
3 負傷者への応急手当や搬送への協力

という仕事があります。基本的に国民保護の3つの分野「避難・救援・武力災害の最小化」のすべての分野に仕事があります。

どちらも基本的に同じことをしていますが大きな違いがあります。そうです「協力」という言葉です。自主防災組織は任意団体ですから自発的に協力してくれることを期待するという形、一方の消防団は上記の仕事をする!という形になっています。

なんで消防団だけ…

と思われるかもしれません。消防団は消防組織法で作られている公的な組織、そして非常勤であっても特別な地方公務員という「公務員」です。そのため、消防庁がメインとなって行動する国民保護の仕組みでは「公務員として仕事をしてもらう」ことになります。また、国民保護では市町村が避難誘導などで具体的な行動をするので、全国で約86万人のマンパワーのある消防団は「地方公務員」としての仕事を求められます。

※国民保護法第62条(1項と3項)
・市町村長は、その避難実施要領で定めるところにより、当該市町村の職員並びに消防長及び消防団長を指揮し、避難住民を誘導しなければならない。

・前二項の場合において、消防団は、消防長又は消防署長の所轄の下に行動するものとする。

※消防組織法(第1条)
消防は、その施設及び人員を活用して、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、水火災又は地震等の災害を防除し、及びこれらの災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行うことを任務とする。

本当にするんですか?


なんで消防団が…国民保護なんて自衛隊がしてくれないのか、専門消防だけがしてくれないのか?、警察がしてくれないのか?となるかもしれません。

確かに日頃から非常時の対応を訓練している自衛隊や消防、警察が国民保護を全部取り仕切ってくれるほうが効率的にみえます。

でもこれらの組織は国民保護のときはそれぞれに仕事をしています。自衛隊は相手方軍隊等との戦闘行動、警察は戦闘地域以外での治安維持、専門消防は消防団とともに災害対応をしています。消防団は専門消防を手助けするために作られた組織ですから、専門消防(平成27年で全国で約16万人)がいろいろな面で手が回らないときは消防団の手助けが求められます。

さらに手探り感が高まる


消防団と自主防災組織の国民保護のときのお仕事でした。どちらも基本的には同じ仕事をしていて、国民保護の3つの分野すべてで仕事をします。

両者の違いは「公務員なのか」という一点だけです。公務員という身分となっている消防団員は法律によって仕事をすることを義務付けられますし、公務員ではない自主防災組織の人は義務はありません。

戦闘に関連する災害なんて考えたこともないし、消防団でも危ないじゃないか(# ゚Д゚)

たしかにそうです。消防庁が発行しているパンフレットでは消防団は「安全が確保されたなかで」活動するとありますが、下の方に但し書きがあって「活動にあたっては、消防本部等と連絡を密にして危険情報の入手に努めてください」とあります。そういう意味での「安全」なので過信は危険です。

私の消防団では国民保護の訓練なんて一回もしたことがない!

という意見もあると思います。私が見聞きできた狭い範囲の消防団の訓練は、春季消防訓練に春季消防演習、ポンプの性能検査、水防訓練(水害対応)、操法審査訓練(消火方法の訓練です)、出初式などでした。訓練なしは市町村の不注意なのか、それとも国民保護自体を知らないのかはわかりません。

政府(内閣官房)が定期的に行っている国民保護のための実動訓練では消防団や自主防災組織が動いていますが、これは数年に一度のもの、日頃からの継続訓練をしている?となれば、行政機関の動き以上に手探り状態かとおもいます。

訓練がない中で出動を求められる消防団員のみなさんは本当に大変だと思います。でも仕事は求められます。

消防団も一応は自発的に志願するもの(地域とか、みんなやってきたんだ!とか、子供の学校の絡みとか、年齢とか、代わりに入る人を連れてこないと辞められないとか、いろいろな噂はありますが)とされていますから、その点は考えてもいいのかもしれません。

以上、うさぎの耳(@usaginomimi)でした!m(_ _)m

※この動画は TheJR287 さんの投稿です。


武力攻撃や大規模テロなどの時に流れるサイレンです。

※この動画は PLAYMEDIA さんの投稿です。


2つ目の音が国民保護のサイレンです。

【うさぎの耳的な今日のポイント】

  • 国民保護という仕組みがあります。

  • 消防団と自主防災組織も国民保護のときは仕事があります。

  • 消防団員は公務員、仕事をすることを義務付けられます。


【関連リンク(註)】
・「消防士」と「消防団員」の違い|漫画でニュースが分かる!毎日まんがニュース http://mainichi.jp/sumamachi/news.html?cid=20160602mul00m04000500sc#

・質問なるほドリ:消防団員 どんな人がなるの?=回答・奥山智己 - 毎日新聞 http://mainichi.jp/articles/20170224/ddm/003/070/147000c

・総務省消防庁 http://www.fdma.go.jp/html/intro/form/syoubou.html

・なくてはならない国民保護-消防団・自主防災組織のみなさんへhttp://open.fdma.go.jp/e-college/search/pdf/k_40.pdf

こちらが消防団や自主防災組織の皆さん向けに作られたパンフレットです。

・内閣官房 国民保護ポータルサイト http://www.kokuminhogo.go.jp/shiryou/hogo_manual.html

国民保護に関するパンフレットがあります。個々人の行動方法などもここにあります。

・国民保護:総務省消防庁
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/fieldList2_1.html

消防庁の国民保護の担当部署です。

・内閣官房 国民保護ポータルサイト
http://www.kokuminhogo.go.jp/

・武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律 抄
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/h36/h36HO112.html

国民保護法です。

・武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律施行令
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/h36/h36SE275.html


この記事へのコメント


この記事へのトラックバック