【国民保護#6】行政機関と指定公共機関はどう動く?


国民保護(こくみんほご)。

武力攻撃やテロのときに国民や住民などの避難誘導を手助けする仕組みです。

仕組みとして国民保護を見ると、それは行政機関と指定公共機関の動きです。今回は、それらの機関の仕事と役割についてです。
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※ブログ記事の元になる記事とリンク先は【関連リンク】に記載しています。
※記事中にある動画を再生する場合,音量にはご注意ください。
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行政機関と指定公共機関-国民保護で実働


国民保護の仕組みの発動から実働までを担当するのは国・都道府県・市町村という行政機関と報道各社や鉄道事業者などの指定公共機関です。

国などの行政機関は「あぁ〜仕事にしているのね」とイメージしやすいと思いますが、指定公共機関というと「なに?」となってイメージしづらいと思います。

指定公共機関とは、放送事業や鉄道事業、運送事業など、国民保護のときに必要になるサービスを提供している会社や組織のことです。例えば…

フジテレビやTBSなどの民放各局・NHK → 情報提供と報道
東京電力や九州電力など        → 電気の供給
日本赤十字社             → 医療活動
東西NTTやソフトバンク・KDDI  → 通信手段の確保
大阪ガスや東京ガス          → ガスの供給
全日空や日本航空           → 交通手段の確保
JRバスや小田急、京成、阪急      → 交通手段の確保

などがあります。その他にはヤマト運輸や佐川急便(輸送手段)、各地のJRや私鉄各社(交通手段)も指定公共機関として指定されています。また、各地方でも「指定地方公共機関」として地元のテレビ局やラジオ局、交通系の会社などが指定されています。

国民保護が発動されたときは、行政機関とそれぞれの指定公共機関・指定地方公共機関が実働として動くことになります。

国民保護計画ー実際の動きの台本


国民保護のときに動くのは行政機関と指定公共機関となりました。その動きは国民保護法に基づいて作られた国民保護計画や国民保護業務計画などに書かれています。国民保護法では、行政機関などの動きは大きく分けて3つとしています。それは「避難・救援・被害の最小化」です。

1 避難 → 警報の発令や避難誘導。
2 救援 → 避難先での食料や医療など生活に関わること。
3 被害の最小化 → 駅などの警備強化や消火活動など。

避難・救援・最小化をそれぞれの組織や会社が具体的にはこうしますよ!と書いているのが国民保護計画(国民保護業務計画)です。とはいってもそこは台本ですから堅い文書のオンパレード、正直「わかった!」とはなりにくいのも事実です。次はシミュレートでみてみましょう。

ミサイル発射で国民保護ーシミュレートしてみましょう


国民保護の発令から動きまでをミサイル発射の事例からみてみましょう。ミサイル発射については時間的余裕がほとんどないため、実際に発令されることは少ないかもしれませんが、国民保護のうちの救援・最小化は行われるでしょう(たぶん)から、頭の体操という形でしてみましょう。

※注意です※
読みたくない方は飛ばしてください。考えるのもイヤという方もいると思いますので。空白・改行しておくので一気にスクロールするか、ブラウザバックをおすすめします。






(始めます)


1 ミサイル発射を自衛隊等が探知、着弾予想地域は敦賀半島の原子力発電所付近とみられる。(避難のうち警報発令のところ)

☆ 政府が国民保護計画に基づいて警報を発令。
☆ 国民保護サイレンが防災無線やスマホで通知される。
☆ 個々人が屋内待避をし始める。

2 政府・都道府県・市町村や指定公共機関・指定地方公共機関が動き出す。(避難・救援)

☆ 政府 → 警報の発令(済)と福井県や石川県などへの避難所開設や避難手段の確保を指示
☆ 都道府県 → 市町村長に避難先や避難経路を指示
☆ 市町村 → 敦賀市などが実際に避難所を解説して、現場での避難誘導を開始

☆指定公共機関
 放送各社は警報や情報を提供、交通系の各社は交通手段を確保、通信系各社は通信手段の確保に動き出す。

NHK福井や福井テレビなど → 警報の発令や状況を報道
JR西日本や日本航空、全日空など交通各社 → 滋賀県や石川県、兵庫県等への移動手段の確保
NTT西日本やドコモ・ソフトバンク・KDDI → 避難所での通信手段の確保や通信網の維持
日本赤十字社や各地の病院 → 避難所での医療活動

3 消防や警察、自治体による警備や消火活動(被害の最小化)

☆ 県警や消防
 福井駅や金沢駅など大規模施設の警備強化や被災地での消火活動や救援活動を行う。

という感じです。




あくまでも仕組みです。


国民保護の中での行政機関と指定公共機関の動きでした。実際に発令されたことがない仕組みですから、文章として書くと「かんたん」に進んでいますが、実際に発令された場合は想像以上の不手際と混乱があると思います。

訓練することはできますが、あくまでも何もないときにする行政機関の動きの再確認(道路に放置車両がないとか晴天で昼間とか)です。訓練をしないよりはいいですが、訓練したから訓練通りに失敗なくできる!という保証はゼロです。(訓練の必要性を否定しているわけではありません。本番でなるべく失敗を少なくできることは訓練の成果です。訓練そのものを過信してはいけないということです)

国民保護は2つでひとつ、ひとつは行政機関などの動きですし、もうひとつは個々人の具体的な避難行動です。どちらが欠けても難しいことになってしまいます。

以上、うさぎの耳(@usaginomimi)でした!m(_ _)m

※この動画は TheJR287 さんの投稿です。


武力攻撃や大規模テロなどの時に流れるサイレンです。

※この動画は PLAYMEDIA さんの投稿です。


2つ目の音が国民保護のサイレンです。

【うさぎの耳的な今日のポイント】

  • 国民保護という仕組みがあります。

  • 仕組みとしての国民保護は行政機関と指定公共機関の動きになります。


【関連リンク(註)】
・FBC-i 【福井放送】 http://www.fbc.jp/index.htm

サイトの下の方にある会社関連情報の中に国民保護業務計画があります。

・コンプライアンス・危機管理の取り組み:JR西日本 http://www.westjr.co.jp/company/action/compliance/

JR西日本の国民保護業務計画があります。

・内閣官房 国民保護ポータルサイト http://www.kokuminhogo.go.jp/shiryou/hogo_manual.html

国民保護に関するパンフレットがあります。個々人の行動方法などもここにあります。

・国民保護:総務省消防庁
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/fieldList2_1.html

消防庁の国民保護の担当部署です。

・内閣官房 国民保護ポータルサイト
http://www.kokuminhogo.go.jp/

・武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律 抄
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/h36/h36HO112.html

国民保護法です。

・武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律施行令
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/h36/h36SE275.html

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