【自衛隊×再就職#20】怖い!独占資格


独占資格(どくせんしかく)。

法律などでその仕事をできる人が限定されている資格です。お医者さんや弁護士さん、理容師さんなど、いろいろとあります。

仕事(をできることが)独占のため、再就職の切り札!とされる独占資格ですが、実はとっても怖いことを引き起こす資格でもあります。

今回は独占資格の怖さについて、法律、業界、営業の3つから見ていきます。

※この記事は自衛官の再就職についての記事です。自衛隊に入ったら必ずくる退職というゴール、その先には再就職があります。再就職に関して自衛官の皆さんにお役に立ちたい!という想いで書いています。
---
※ブログ記事の元になる記事とリンク先は【関連リンク】に記載しています。
※記事中にある動画を再生する場合,音量にはご注意ください。
---


ほしい!独占資格


自衛官のみなさんの再就職は20歳代、または54歳前後のときに起こる出来事ですね。そのため、自衛隊の後のお仕事を得るために何らかの資格をとっておきたいと考えると思います。

そんなとき独占資格はとても魅力的に見えると思います。お医者さんや看護師さん、そこまでいかなくても宅建士や行政書士、社会保険労務士、司法書士など世の中には多くの独占資格があります。

※上記は業務独占資格です。その他にも名称独占資格もあります。例えば調理師さんや保育士さんなどです。無資格でも仕事はできますが、有資格でないとその名前を名乗ることができません。

自衛隊側も組織としては資格取得を勧めていますから、「とりあえず資格でも」というのはごく自然な流れかと思います。

このブログの管理人も「とりあえず」で取得するなら独占資格をおすすめしています。見た目と看板としての効果は絶大だからです。

うまく使えば効果のある独占資格ですが、実は効果の反面、猛毒のある資格でもあります。

法律で作られた仕事-法律に振り回される


多くの独占資格は法律でその仕事が独占されています。この独占とは、有資格者だけがその仕事をすることができるという意味で、例えば医療行為は医師のみができるというものです。

この独占、つまり「法律で作られている仕事」という点が重要です。

法律で作られた仕事なため、新しい分野の仕事をするにしても法律の裏付け(改正や廃止)が必要、また必要なんじゃない?と気にします。そのためライバルからは何歩も遅れて仕事が始まり、法律を過剰に気にすることになります。

商売の世界の基本のひとつにスピードがあります。法律という先例・前例・前任者の見解という過去だらけで作られたものを基本にしていると乗り遅れは必至です。

法律だから安定して仕事ができるでしょ!だって法律だよ(^o^)

と思われることも。でも法律だからこそ危ない面があります。法律が変われば仕事がなくなるという面です。

例えば石炭業界。

昔の日本には石炭鉱業合理化法という法律がありました。この法律、需要が少なくなってきた石炭の利用を法律で義務付けたものでした(石油に輸入関税をかけたり、高値買取だったり)。各種施設で石炭をを使いなさい!と命じました。石炭業界はこれで生き残ろうとしました。

でも、商売の世界はお金の世界、法律で決めたからといってコストの高いものを使い続けると赤字に陥ります。そのため、法律に例外規定を設けたところ、あっという間に石炭利用は激減、コストが低い石油が使われました。けっきょく法律の意味は無くなりました。

今で言うなら郵便局の「信書」ですね。郵便局は基本的に法律で作られている「信書」を事業の柱のひとつにしています(赤字らしいですが)これからでいうなら、補助金メインの農業(補助金の取り合い。六次産業化とか地方創生とか)でしょう。

法律をアテにしていると法律が変わってしまえば、あっという間に商売あがったりになるいうことです。

業界の常識-資格が活かせない


多くの独占資格の世界では業界団体があります。弁護士さんなら日本弁護士連合会、お医者さんなら日本医師会などです。

業界団体内部の常識が実はとっても怖いものです。例えば理容師の新人さんがある理容院などに入って都合により退職した場合です。退職した理容院が業界団体の役職についている人のところだったとき、次に入る理容院は「あの人に睨まれるとやばい」と気遣って雇わない、または、別の仕事につけるということもあるそうです。(全部の事業所とはいいません、気にしないところも多いようです)

資格はあっても資格を活かした仕事ができない、させないという「業界の常識」もあるということです。

もっと大きく見れば「業界の常識」が幅を効かせるために、したい仕事ができないということもあります。

営業しない-お金を生み出さない


独占資格は看板としての効果が絶大なため世間的に一目置かれたような感じになることがあるようです。そのため「看板を出しただけで仕事が舞い込んでくる」みたいなことになる人もいます。「手段の目的化」というものです。

独占資格もあくまでも道具です。お金を得るため、自尊心のためと目的はいろいろありますが、資格はどこまでいっても道具・手段です。

お金を得るためなら先に来るのは営業です。まずは知られて、必要になった時に来てくれる人を作らないといけません。そしてわざわざお金を支払ってくれるほどの価値・満足を提供しないといけません。

独占資格は仕事をすることを法律で保証しているだけ、収入を保証していません。

独占資格は両刃の剣


独占資格は両刃の剣です。うまく使えば役に立ちますが、何にもしなければただの免状、家の額縁に飾られたものに過ぎません。ただの免状に法律や世間体がくっついて面倒くさいことを引き起こすこともあります。

再就職で考えることは、まずは「したいこと」です。120%嫌なことはいくらお金がもらえてもしないでしょう(自衛隊に入る人が少ない理由のひとつです)。したいことでないと続けられません。

そのしたいことに資格が必要ならば資格取得もベストだと思います。

会社勤めでも自営業でも資格必須というものは思ったよりも少ないと思います。飲食店を開いたり、飲食店で働くのに調理師資格は必要ではありません。(無いよりはあったほうがいいかもしれないという程度)

まずはご自身がしたいこと、次に資格が必要か?だと思います。資格のご利用は計画的に!です。

日本の国を守るために、ご自身の命や貴重な時間を国家に預けられてきた自衛官の皆様の再就職がうまくいきますよう、応援します!

以上、うさぎの耳(@usaginomimi)でした!m(_ _)m

【うさぎの耳的な今日のポイント】

  • 独占資格は効果もありますが、怖いこともあります。

  • 法律に頼り過ぎると仕事が無くなります。

  • まずはしたいことから始めましょう、資格は次のことです。


【関連リンク(註)】
・【自衛隊】年間約8038人という数字 自衛官への道 その4
http://koukuujieikan.seesaa.net/article/391961715.html

・【自衛隊】自衛官のゴールは再就職!
http://koukuujieikan.seesaa.net/article/355705639.html

・自衛隊への疑問!? その1 自衛官って公務員だからいいよね!?
http://koukuujieikan.seesaa.net/article/154311006.html

この記事へのコメント


この記事へのトラックバック