【戦国策×現代】人は常識に拘束されるという話


常識。

よく使われる言葉ですね。でもその内容というと「?」となる言葉です。人によってさまざまな解釈があって、その点「みんな」と同じです。

世は戦国時代、常識をめぐって激論となった出来事がありました。

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本題の前にちょっとだけ。こちらの物語を読むための前座みたいなものです。すこしだけお付き合いくださいm(__)m

【戦国策とは?】
古代の中国大陸での戦国時代。その時代での各国の動向や説客(戦略家や外交家、弁論家ら)の働きをまとめて記録した本です。戦国策の編纂は前漢時代(秦の後の王朝)に劉向が行いました。

戦国時代には秦・趙・韓・魏・楚・燕・斉の戦国七雄、宋・東周・西周・中山などの国々がそれぞれの生き残りと天下統一を賭けて争っていました。世に言う「諸子百家」の時代です。

【今回のお話の登場人物】
・武霊王 趙の国の王。国が内外の危機に直面する状況で王位にある。
・公叔成、趙文、趙造 武霊王の親族
・肥義 武霊王の臣下

ではお話をはじめましょう!

武霊王、改革する!宣言-胡服騎射


趙の国の武霊王(ぶれいおう)。国の外からの脅威に直面します。周囲を強国である魏や韓、秦などに囲まれ、また、中国の外からは異民族からの脅威に晒されます。特に北方民族などの侵入は武霊王の頭痛の種、国の中を荒らされ、続く戦いで住民も疲弊していきます。

そこで武霊王は国内体制の変革を目指します。変革によって趙が再び強国になれることを目指してです。

変革の手段として胡服騎射(こふくきしゃ)という政策を始めます。

この政策は、国の風俗を改めること、軍隊の主力を改めることを意味しました。つまり趙の人々から見て「蛮族」とされた胡の人々の作法などを趙に入れることでした。また軍隊の主力を従来の戦車から、胡が多用していた騎乗する兵士、騎馬兵に転換しようとしたのです。

それまでは華美で退廃的だった風俗を質実剛健に切り替え、軍を精強にしようとしたわけです。今風に言えば「どげんかせんといかん!」というわけです。(こちらも少し前の話ですね(^^))

改革反対!-親族の動き


武霊王の改革宣言を受けていろいろな動きは出てきます。その方針に賛成する人もいれば、反対する人もいます。

なかでも武霊王の親族にあたる人たちの反対は大きなものでした。公叔成(おじさん)は病気になったとして宮廷に参内しようとしませんでしたし、王の無謀を諌(いさ)めるとして趙文、趙造は改革に反対姿勢を表明しました。

改革をしたい武霊王、それに反対する親族らという構図。武霊王は頭を悩ませることになります…

肥義、進言する-今はいま


そこで登場するのは肥義です。王に進言します。肥義の主張は・・・

古(いにしえ)や先例などは世間の絵空事です。この世は戦国の時代、諸侯は天下統一に向けて動いています。

というものでした。そして王を励まし改革断行を求めます。

武霊王 VS  親族


改革を求める武霊王と肥義、改革に反対する親族ら。では親族らの主張はどうだったのでしょうか。おじさんらの意見は以下のとおり。

・古の教えを守って、古来からの道を守ることこそ大事、だから変えてはいけない。
・古の道は礼儀や法(法律という意味ではなく慣習に近いもの)で守られており、それによって正義が実現されている。

・古の例にならうことこそ一番

というものでした。つまり現状を変える必要は一切ない。ずっと、これからも今までしてきた通りであることが「安定」であるとの意見です。

この意見に武霊王は反論します。

・礼儀や道徳といっても、それは現実の世界での実用性や機能性があってこそではないか

・礼儀などは世間での物事を簡単にするためにあるものであって、世間を阻害するような礼儀や道徳は有害であろう。だからこそ、実情に応じた変更をする必要があるのだ。

・古と盛んに言うが、今は古代ではない。たしかに古代では通用していたものではあろうが、今はいまだ。先例というのは利便性を目的にして作られたものであろう。

最終的には胡服騎射は導入されます。趙は強国として再建、周辺国との天下統一の競争に主要なプレイヤーとして関わっていくことになります。

変わらないものはないということ


胡服騎射のお話は古くて新しい問題、現在進行形のお話です。

変化を求める人と現状維持を求める人

という構図があるからです。それぞれの立ち位置で一方の意見を見れば、他方は無責任な人たちです。簡単にみると常識を疑う人たちと常識を擁護する人たちです。

今回は中国の戦国時代の例を取り上げましたが、日本の歴史でも多くの「変化を求める人」が現れています。有名なところでは織田信長、徳川家康、近くでは明治維新などです。他にも…

菅原道真(宇多天皇のもとで行政・税制改革を断行)
足利義教(守護大名合議制から将軍中心制への転換)
田沼意次(重農経済から商業経済への転換)

と変化を求めた人もいます。これらの方々の最後は左遷・暗殺・失脚と哀しいものとなっています。武霊王も例外ではなく最後は子供の手によって餓死させられてしまいます。これを見ると

常識に安住したほうがいい?

となりそうです。でもどうでしょうか?

大企業は絶対安全、ひとつの職業でひとつの給料、ひとつのことを黙々とという常識は崩れかけているように感じます。昔の会社なら山一証券も潰れました、日本航空も破綻処理(その後再生)となりました。いまなら東芝も青息吐息の状態です。

Q 役所なら大丈夫でしょうか。公務員ですから。

A 夕張市は破綻しました。

武霊王がいうように常識も変化するもの、現状を維持しようと思っても常識を支えていた状況が変われば常識も「頑迷固陋」(がんめいころう)と「因習」「悪弊」(いんしゅう・あくへい)の仲間入りです(明治維新がその例でしょう。徳川時代の習慣の多くは悪弊として消えていきました。)

逆に変わったからこそ再生した会社・組織もあります。夕張市も再生にむけて奮闘中です。

変わること、変わらないこと、どちらも結果に対する可能性に過ぎませんが、あなたならどちらの可能性を見出すでしょうか

砂漠のオアシス。コップに水が半分あります。 もう半分でしょうか、まだ半分でしょうか。

以上、うさぎの耳(@usaginomimi)でした!m(_ _)m

※追伸
携帯電話も電話からスマホに変わるのはあっという間でしたね。携帯電話もスマホに対してガラケーと呼ばれてしまいました。日本では2008年にiphone、翌年にはAndroidが登場しました。

【うさぎの耳的な今日のポイント】

  • 人は「常識」に囚われやすい生き物です。

  • 変わる・変わらないは手段、結果への可能性です。

  • どちらの可能性に賭けるかは自分次第です。


【戦国策を楽しめる本】
戦国策 (講談社学術文庫)

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戦国策に掲載されている多くのエピソードの中から、役に立ちそうなエピソードに絞って紹介してくれる本です。「漁夫の利」も戦国策から出ています。

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戦国時代を描く作品です。秦から始まる統一戦争と各国を巻き込む動乱、少年の大志や仲間との行動など、楽しめる作品ですよ!

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