【航空自衛隊×職種 #66】ロードマスター 航空輸送を計算する人


計算する。

お釣りの計算やお菓子を分けるための計算、人間関係の損得関係の計算など、物事を数値化する行為です。

航空自衛隊の輸送機も「計算する」ことで飛んでいます。

今回は航空自衛隊の輸送機で「計算する」人、ロードマスター(空中輸送員・戦術)のお仕事です。

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※「航空自衛隊の職種大全」は航空自衛隊の職種を紹介する連載記事です。航空自衛隊はどういう仕事をしている?、航空自衛隊に入ったらこういう仕事をしたい!などのギモンに答える連載です。職種全体の基本的なことは…

・【航空自衛隊×職種】40の65は戦うために! 航空自衛隊の職種大全 Episode0(ZERO)
http://koukuujieikan.seesaa.net/article/393576433.html

に書いています。よろしかったら(^_^)

ロードマスター(空中輸送員・戦術)とは?


航空自衛隊の航空輸送を計算する人、ロードマスターとは…

特技名:空中輸送員(戦術)(くうちゅうゆそういん・せんじゅつ)

職域名:輸送(ゆそう)

働く場所:三沢、入間、小牧、芦屋、春日、那覇の各基地

所属部隊:各地の輸送航空隊やヘリ空輸隊

主な仕事:

1 輸送機に搭乗して航空輸送を行うこと。etc…

ロードマスター(空中輸送員・戦術)は全特技から選抜可能な将来指定可能な職種です。

というお仕事です。航空自衛隊が飛行機やヘリを使って輸送することを計算して、安全に確実に運ぶ人、それがロードマスターです。

運ぶ!


航空自衛隊は飛行機やヘリで隊員や物資を運ぶことを仕事にしています、これが航空輸送という仕事です。

この航空輸送は、飛行機を使って隊員や物資をいつまでに・どこに・必ず届けることが最終目的になる作戦です。

ロードマスターは航空輸送を実際に支える人です。

航空輸送とは?


ロードマスターのお仕事をより理解するために航空輸送のことを事前学習してみましょう。

航空輸送とは、飛行機やヘリなどの飛ぶ道具を活用して、兵士や部隊、物資や兵器を必要なところに必要なときに運ぶ作戦のことです。

この航空輸送は陸上の車両輸送や海上の船舶輸送と比較して…

・速く
・遠くへ
・いつでも
・どこへでも


という特徴がある輸送方法です。

速くとは、航空機の速度が早いこと(航空自衛隊のc−1輸送機の速度が約806km/h、船は約35km/hです。もちろん重量にもよります)で、遠くへというのは燃料がある限りは遠くまで飛んでいけるということ(乗員は疲れますが)です。

また、いつでもは時間的な拘束が少ないこと、どこへでもは山や川、海などの地形の影響を受けにくいという意味です。

こうみるとメリット満載ですが、当然デメリットもあります。航空輸送のデメリットは…

・飛行機自体やその輸送にかかる経費が高価なこと
・輸送量に比較して燃費が悪くなることが多いこと
・天候の影響を受けやすいこと
・安全対策にかける費用が高めになること


などがあります。飛行機そのものは高価ですし、それを守るための安全対策への経費もかかります。急ぎの場合は輸送量が少量であっても運ぶ必要があるために燃費は悪くなる…しかも天候が悪いと離発着が難しいというデメリットを抱えています。

それ自体が大きな利便性と大きな困難を抱えている航空輸送です、そんな航空輸送を支えているロードマスター、具体的にはどういう仕事をしているのでしょうか?

ロードマスターのお仕事


航空輸送を支えるロードマスターのお仕事、運ばれるものから見てみましょう。例えば戦闘機が故障したために、交換部品を入間基地から千歳基地に運ぶとします。

入間基地では…

・部品の到着
・部品を機内に積み込む(☆)
・輸送機が離陸(☆)

千歳基地では…

・輸送機の着陸(☆)
・部品を降ろす(☆)
・部品を部隊に運ぶ

という流れがありますね。ロードマスターのお仕事は(☆)の箇所です。交換部品が機内にある間の管理責任者として、また、輸送機への積み込みの誘導者として仕事をします。実際の積み込みは輸送員のお仕事、輸送員はカーゴローダーという車を使って物資(パレットに載せられています)を搭載します。

ロードマスターは輸送機が飛び立つ前は、物資の機内での配置や配置のための準備(区画変更や重心位置の調整など)をし、そして輸送機が飛び立った後は貨物室内の管理と機内放送、到着後は積み荷の積み下ろし作業などを行います。

また、空挺部隊の降下や物資投下などの戦術輸送もロードマスターの仕事です。

ロードマスターに必要なこと-なるには?


航空自衛隊の物資輸送や隊員輸送を支えているロードマスターです。そのお仕事を支えているのは…

体力、計算力に柔軟性

です。

まずは体力です。航空輸送のいつでも・遠くへなどのメリットがある以上、そのお仕事は24時間365日です。輸送機は国内輸送に使われることはもちろんのこと、海外への災害派遣(国際緊急援助)でも使われます。

次は計算力です。輸送機に積み込める物資の総量は決まっています。いくら区画を調整しても限度があります。そのため限られた区画の中にパレットを効率よく、無駄なく配置する必要があります。しかも配置が飛行機の重心をずらさないようにしないといけません。重心計算は輸送機の安全に関わります。

そして柔軟性です。航空輸送には事前計画がありますが、その輸送がキャンセルになったり、逆に追加されることもあります。そのため重心計算などを再度やり直す必要が出てきます。四角四面のガチガチさんや慌てん坊には難しい面があります。

航空輸送の数学者ー安全と快適を両立させるために計算!


航空自衛隊の隊員や物資を飛行機で輸送する作戦を支えるロードマスターでした。

そのお仕事は計算することがメインです。飛行機で運ぶ以上は積載量は決まっていますから、搭乗できる隊員も搭載できる物資も限られています。

ロードマスターは計算することで、隊員と物資の安全を確保し、同時に搭乗する人たち(クルーを含めて)の快適な空の旅を追求します。

安全と快適さの両立を求める数学者、それがロードマスターです。

以上、うさぎの耳(@usaginomimi)でした!m(_ _)m

※この動画は Tonkatsu298 さんの投稿です。ありがとうございます!


機体後部が開いて物資が投下されます。ロードマスターのお仕事のひとつです。

※この動画は AiirSource Military さんの投稿です。ありがとうございます!


米軍のc−17輸送機です。部品から降りてきますが、最終的には攻撃ヘリが降ろされてきます。

【うさぎの耳的な今日のポイント】

  • 飛行機やヘリによる航空輸送を支えるのがロードマスターです。

  • ロードマスターは計算する人です。

  • ロードマスターは安全と快適さを両立させるために計算します。


【関連リンク(註)】
・隊員の仕事|航空自衛隊について|[JASDF] 航空自衛隊
http://www.mod.go.jp/asdf/about/work/

・ロードマスター|隊員インタビュー|スペシャルコンテンツ|[JASDF] 航空自衛隊
http://www.mod.go.jp/asdf/special/interview/07/

・航空自衛隊C-1輸送機搭乗ルポ ~大空が舞台。フライングエンジニアとロードマスターのお仕事~ | 働き方を考える | エンジニアLive | 極上のエンジニア人生を応援するWebマガジン
http://engineerlive.jp/work/article/article_c_1

・航空自衛隊小牧基地 
http://www.mod.go.jp/asdf/komaki/index.html

・航空自衛隊入間基地
http://www.mod.go.jp/asdf/iruma/

・第3輸送航空隊
http://www.mod.go.jp/asdf/miho/butai_3yukuutai.html

輸送機を運航している輸送航空隊は小牧・入間・美保の各基地にあります。

・航空自衛隊 航空救難団
http://www.mod.go.jp/asdf/arw/

航空救難団はヘリ空輸隊を持っています。

・船の速さ 日本船主協会:海運資料室:海と船のQ&A
http://www.jsanet.or.jp/qanda/text/q2_10.html

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