【航空自衛隊×職種 #56】調査員ー秘密を守り活かす人たち。


秘密。

どこか神秘的で甘美な響きのある言葉です。人はどうしても「秘密」に吸い寄せられます。

秘密が神秘的である理由、それは守られているからです。

今回は秘密を扱って、守って活かす人たち、調査員です。

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※「航空自衛隊の職種大全」は航空自衛隊の職種を紹介する連載記事です。航空自衛隊はどういう仕事をしている?、航空自衛隊に入ったらこういう仕事をしたい!などのギモンに答える連載です。職種全体の基本的なことは…

・【航空自衛隊×職種】40の65は戦うために! 航空自衛隊の職種大全 Episode0(ZERO)
http://koukuujieikan.seesaa.net/article/393576433.html

に書いています。よろしかったら(^_^)

調査員とは?


自衛隊の秘密を守ったりしている調査員とは…

特技名:調査員(ちょうさいん)

職域名:情報(じょうほう)

働く場所:日本各地の自衛隊の基地、市ヶ谷基地

所属部隊:情報保全隊

主な仕事:

1 部隊の情報保全の仕事をすること。
2 その仕事をするために必要な情報等の収集や整理をすること。etc…

取れる(かもしれない)資格:大型自動車免許

調査員は将来その仕事につけることが可能な職種、つまり航空自衛隊に入って一定期間の経験や能力が必要とされる職種です。

というお仕事です。自衛隊が保有している秘密を守って、漏れないようにしているのが調査員のお仕事です。

秘密を守る義務


秘密を守ること大切です。一般的にも「秘密ね(^^)」と言われたことを誰かれ構わずしゃべり歩く人は信用されません。守る必要がある秘密を口外しないこと、人類社会の最低限のルールのひとつです。

自衛官という人たちも「秘密を守る義務」が法律上で決められていて、それを守ることが要求されています。

自衛官が所属している自衛隊や防衛省という組織には・・・

省秘(防衛省が管轄している事務に関する秘密)
特定機密(日本の国を軍事的に守るために必要な秘密)
特別防衛秘密(米国から提供された装備品の性能などに関する秘密)
部内限り(防衛省の職員以外の人にみだりに知られると仕事に支障をきたす秘密)
注意(業務に携わっている隊員・職員以外の人が知ると仕事に支障をきたす秘密)

という大まかに分けて5つの秘密があります。(防衛省が公開している資料に載っている秘密です。安心してください!大丈夫ですよ(^o^))

これらの秘密を守ることは法律上、求められているわけですが、法律に書いたからとってそれが、そのまま書かれているとおりに、また理想的に実行されることはほぼありません。「人の口に戸は立てられない」とはこのための言葉です。

そこで、実際に具体的に秘密を守ることが求められるわけです。そのお仕事をしているのが調査員です。

秘密を具体的に守ることー普通のことです。


自衛隊による情報保全活動というとまさにグレーでなんだか後ろ暗いイメージにぴったりです。現にそういうイメージは根強いものですね。

とはいっても、調査対象とされることと、その手法の是非は別(当事者同士は永遠に合意することはないからです)としても「秘密を守る」という行動自体は一般的なことです。

えっ(・.・;)そんなはずは…

と思われるかもしれませんが、会社でも営業上の秘密はガッチリ守ることをしていると思います。例えば主力商品の内部構成や材料の比率、顧客の具体的な情報などは秘密として守る対象です。守れていない会社は倒産してしまいますから。

よくテレビでみる「こだわりの店」や「老舗」の味の配合は「企業秘密のためお見せできません」と出ますよね。

仕事上、必要で他の人に知られるとまずい情報を漏れないようにしたり、「企業秘密なのでお見せできません」を国単位でしているのが情報保全活動です。

調査員に必要なこと-なるには?


自衛隊の秘密を守る仕事が調査員ですが、その仕事を支えているのは

誠実さ

です。ありきたりなことかもしれませんが、相手に信用してもらうには一定の誠実さ(この人は信用できると思わせる)は必要です。そうでないと情報活動はできないでしょう。情報関係者は誠実であると同時に、必要なときには一世一代の大嘘(「国」という共同体のために)をつくことを求められる人たちです。

よくあることです。


調査員のお仕事、地道でそれ自体は目に見えることは少ないお仕事です。情報保全という難しい名前のために損をしている面はありますが、秘密を守るという事自体はごく一般的でよくあることです。

会社版の特定秘密保護法みたいな不正競争防止法という法律がありますが、これは会社の営業上の秘密を守るために、秘密に値する情報なら秘密指定をしなさい、その秘密情報を秘密に値する方法で管理しなさい(そこら辺の机にドサッと無造作に置いてあるマル秘な書類では意味がないということです)ということを求めています。

秘密であること、それにはある程度の見えない部分があることは事実です。ただ、それ以上に秘密にすることで得られる利益があるからこそ「秘密」があります。

会社で言えば取引関係の信頼を高める、国際的な技術のやり取りで交渉力を高める、ライバル社に仕事を出し抜かれないなどのメリットがあります。

国単位でする軍隊にとっての秘密を守る行動、それも外国との関係から信頼性を高めるものです。軍隊自体がもともと国際的な組織、しかもその行動は外国との関係で議論されるものですし、同盟といっても究極的にはGive and Take、取引(交渉)です。

秘密を守ることで信頼を活かす人たち、それが調査員です。

以上、うさぎの耳(@usaginomimi)でした!m(_ _)m

※追伸
本当に蛇足です。会社という英単語はCOMPANYですが、この言葉は軍隊の中隊を意味する言葉です。スペイン語で「パンをともに食する仲間たち」(つまり軍部隊)という言葉が語源と聞いたことがあります。

会社と軍隊、ここでもつながっていました。

※この動画は OKWAVE_Stars さんの投稿です。ありがとうございます!


この作品に登場する謎の女性自衛官は情報保全隊の隊員という設定です。

【うさぎの耳的な今日のポイント】

  • 自衛隊の情報保全活動を担当しているのが調査員です。

  • 秘密を守ること自体はごく一般的に行われていることです。


【関連リンク(註)】
・隊員の仕事|航空自衛隊について|[JASDF] 航空自衛隊
http://www.mod.go.jp/asdf/about/work/

・秘密保全は万全ですか
http://www.mod.go.jp/igo/compliance/guidance/pdf/cg3_kanri-21.pdf

・(解説)「自衛隊情報保全隊(仮称)」の新編
http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2008/2008/html/kc430000.html

・防衛省・自衛隊:我が国の防衛組織
http://www.mod.go.jp/j/profile/mod_sdf/index.html

・特定秘密の保護に関する法律
http://www.kantei.go.jp/jp/topics/2013/headline/houritu_joubun.pdf

・不正競争防止法(METI/経済産業省)
http://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/

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