民間。
退職予定の自衛官の方々にとってはよく聞く言葉かと思います。
自衛隊での、その言葉は「厳しい」「怖い」などマイナスイメージそのものです。
今回はその「民間」について、自衛隊でまことしやかに囁かれる「民間」と実際の民間の違いなどです。
※この記事は自衛官の再就職についての記事です。自衛隊に入ったら必ずくる退職というゴール、その先の再就職についてお役に立てる(かもしれない)ものです。
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自衛隊での「民間」
自衛隊という空間での「民間」という言葉は独特な意味合いとイメージを伴っています。それは…
・民間は厳しい(自衛隊に比べて)
・民間は怖い
・民間は拝金主義
など、どちからと言えばマイナスイメージで語られることが多いように感じます。ですが、このマイナスイメージは未知の対象への恐怖にかられた妄想の面が大きいと思います。
これらのイメージはまったくハズレとはいいませんが、一面であることは事実です。自衛隊で語られる「民間」から見えてこない民間とは、いったいどういった世界なのでしょうか?
実際の民間とは?
自衛隊で語られる「民間」とは違う民間の世界、それは民間という世界の根幹に対する「未知への恐怖」から生じていると思います。民間という世界は…
1 商いの世界
2 変化の世界
です。具体的にみていきましょう。
1 商いの世界
民間、ずばり商いの世界です。経済社会という言葉でも表現されていますね。商いの世界はお金やサービス・製品がいろいろと飛び交う世界です。ごくカンタンにいえば費用と利益の足し算・引き算・掛け算の世界です。サービスなどのモノにかけた費用に対して、かけた費用以上の利益を得て、その利益を基に商いをさらに継続していくことです。
自衛隊は商いの世界とはちょっと離れた世界です。
それは自衛隊が提供している価値(自衛官の命や健康、時間を代償にして自衛官以外の他人の生命などを保障すること)に対しての対価(代金)が税金という形(強制徴収)で支払われている点です。
商いの世界では、お客様が支払う価値のあるサービスに対して、会社などを選別して金銭を提供しています。
だからこそ、自衛隊は選り好みはできませんし、税金を支払っている方はいざという時の自衛隊による救出を拒めません。(本人が嫌だといっても命令がある以上は救出されます)
2 変化の世界
民間は常に変化していく世界です。なぜ変化していくか?というと、それは民間という経済社会(商い)で生き残るためです。生き残るためには、自社の製品やサービスににわざわざお金を払ってくれる人を育て、なおかつ、他社との競争をしないといけません。
そんな中で未来永劫で絶対不変な勝利の方程式!は基本的にありません。昨日に通用したことは今日も通用する、前例通り!となってしまって破綻した多くの事例があります。時代に合わせて変化してきたからこそ、「老舗」と呼ばれる会社になれるのだと思います。
自衛隊と民間は違うんだ!?
とはよく言われます。背負っているものが違う!とか負けるわけには・失敗するわけにはいかないのだ!とは言われます。でもお金と変化については自衛隊もまったく無縁ということはありません。
自衛隊の隊員や戦力を形成するためにはお金は必要不可欠です。気合・根性・精神・気持ちだけでは戦力を作ることはできません。国全体としてお金がない(経済が潤っていない)と自衛隊への予算も減るだけです。
また、変化については自衛隊も当事者です。自衛官という職業だけに焦点を当てれば「国家公務員+毎月給料+定休」という安定そのもの、変化には無縁のようですが、自衛隊という組織で見れば、常に変化を求められているはずです。
自衛隊は、その行動は完全には読めない、しかも自衛隊が準備していることと反対のことをしてくるという相手方軍隊と戦うことを求められています。もし自衛隊が「これがうちらの永遠不滅、未来永劫、絶対不変の勝利の方程式だ!」と変化を拒んだときどうなるでしょうか?
お金と変化という視点だけで見れば自衛隊も民間もそれほど大きな違いはないと思います。最小費用で最大効果を狙うのは同じ、変化をしていくのも同じではないでしょうか。
基本は同じ、会社や仕組み、組織風土によってその内部の流儀や作法に違いがあるだけです。
怖がることはありません
自衛官の方々は「未知への恐怖」に振り回されているだけだと思います。それは自衛隊の中の人たちで拡大再生産されて、自衛隊の中の民間怖い!モンスターとして暴れているだけです。
こう書くと「民間の世界を美化している」と言われそうですが、民間であれ自衛隊であれ、美しいだけの世界でないことは確かです。
自衛隊の災害派遣は感謝されることが多いですが、実際は冷えた飯しか持ってこられねーのか!とかビールもって来い!などの嫌味もある世界です。美しさだけでは語られない世界を自衛官の方々もよくご存知だと思います。
美しさ一辺倒でも醜さ一辺倒でもない世界は民間も同じです。だからこそ不必要に怖がることはありません。
自衛官という職業の怖さは先日の記事でも書きました。その怖い職業をされてきた自衛官が民間怖い!ということはないと思います。
民間のいろいろな面を見て、怖いことはまっとうに怖がること、そして身の用心に努めて再就職を迎えられることが大切だと思います。
日本の国を守るために、ご自身の貴重な時間と生命を国家に預けられている自衛官の皆様の再就職が、うまくいきますよう心より応援しています!
以上、うさぎの耳(@usaginomimi)でした!m(_ _)m
【うさぎの耳的な今日のポイント】
- 民間怖い!は空想上のモンスターです。
- 民間も自衛隊もお金と変化という点では変わりません。
- 美しさと醜さの同居は自衛隊も民間も同じです。
【関連リンク(註)】
・【自衛隊】年間約8038人という数字 自衛官への道 その4
http://koukuujieikan.seesaa.net/article/391961715.html
・【自衛隊】自衛官のゴールは再就職!
http://koukuujieikan.seesaa.net/article/355705639.html
・自衛隊への疑問!? その1 自衛官って公務員だからいいよね!?
http://koukuujieikan.seesaa.net/article/154311006.html
・【自衛隊×再就職#2】資格でよいこと・わるいこと 3つずつ
http://koukuujieikan.seesaa.net/article/411473252.html
・【自衛隊×再就職 #7】難関資格は高収入というのは本当?
http://koukuujieikan.seesaa.net/article/413163949.html
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