【航空自衛隊×職種#16】燃料員-油のコンシェルジュ


航空自衛隊の飛行機。

戦闘機から輸送機、救難機などさまざまな飛行機があります。空を飛び自由で開放感に溢れる乗り物ですが、あるモノがないとただの金属の塊に…そう、それは燃料です。

今日は航空自衛隊の飛行機等の基本のキホンである燃料を扱う職種!燃料員のお話です。

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※「航空自衛隊の職種大全」は航空自衛隊の職種を紹介する連載記事です。航空自衛隊はどういう仕事をしている?、航空自衛隊に入ったらどういう仕事をしたい!などのギモンに答える連載です。基本的なことは…

・【航空自衛隊×職種】40の65は戦うために! 航空自衛隊の職種大全 Episode0(ZERO)
http://koukuujieikan.seesaa.net/article/393576433.html

↑こちらにあります。キホンは知ってるよ!という方は航空自衛隊の職種の中の連載記事に進まれてください∠(^-^)

燃料員とは?


飛行機や自動車などを動かす元の燃料を扱う燃料員の基本的なデータは…

特技名:燃料員(ねんりょういん)

職域名:補給(ほきゅう)

学ぶ所:第3術科学校(芦屋基地)

働く場所:航空自衛隊の飛行機のある基地など。

所属先:飛行機がある基地の整備補給群補給隊燃料小隊(せいびほきゅうぐん・ほきゅうたい・ねんりょうしょうたい)など

主な仕事:

1 飛行機の燃料の保管管理や実際に飛行機に給油すること。
2 基地で使う自動車などの燃料を保管管理すること。
3 ペンキやボンドなどの油脂類の保管と管理をすること。
4 燃料や油脂類を必要とする部隊に提供すること。etc…

取れる(かもしれない)資格:危険物取扱者(特に乙4)、高圧ガス製造保安責任者、大型自動車免許

というものです。燃料員は航空自衛隊の扱う油のすべてに関わる職種、油のコンシェルジュと言えます。

乗り物の生命線


 燃料員は航空自衛隊が使う飛行機や自動車など、すべての乗り物の燃料を取り扱っています。飛行機などの乗り物は燃料が入っていないと単なる障害物、動いて使えて意味のあるモノですので、燃料はとても大切です。

考えてみてください。滑走路や格納庫にただ置いてある動かない戦闘機や自動車…展示物としては意味があるかもしれませんが、戦いなどに使用できてこそ意味のある品物なのです。

飛行機などを動かす元の燃料を扱う燃料員、具体的にはどのようなお仕事をされているのでしょうか?

具体的な仕事


 燃料員は航空自衛隊が使用する燃料のすべてを取り扱っていると書きました。燃料は具体的には…

・航空燃料(JP-4Aなど)
・地上燃料(ガソリンや重油、軽油など)

があります。航空燃料は飛行機に給油する燃料のことで、飛行機が飛ぶために使用されます。地上燃料とは、自動車やフォークリフト、機械に使用するガソリンや軽油などです。

このような燃料の分け方に対応して仕事も分けられていて、地上燃料やペンキなどの油脂類を「保管班」が扱い、航空燃料を「給油班」が取り扱います。ちなみに航空自衛隊の飛行場で見かけるタンクローリーを運転しているのは「給油班」の燃料員の方々です。

燃料員 = 燃料の発注 + 保管(受け入れも) + 提供(必要なところに) + 給油

というお仕事なわけです。

油断大敵


 給油班のお仕事、燃料を入れるだけ!?という感じですが、これもなかなか骨の折れるお仕事です。飛行機は車とは違ってガス欠で路肩に止めることはできません。ガス欠の時点で急降下していきます。まさに油断大敵です。

給油班は飛行機の到着から出発まで、飛行機に寄り添うことになります。なぜかというと、航空自衛隊の飛行機はいつでも飛び立てるように準備されておく必要があるからです。航空自衛隊では、スクランブル発進や災害派遣、警戒監視などさまざまな飛行が行われます。そのためには常に給油をしておくことが必要になります。

また、飛行機以外にも油は大切。例えば隊員がお風呂で使うお湯、これはボイラーで沸かしています。このボイラーは重油で動いていますから、ここにも燃料員の力があるわけです。他にも、いろいろな工作機械も燃料で動いています。

※この動画は 114lucky さんの投稿です。ありがとうございました!

T-4に給油しています。

向いている人は?-燃料員になりたいのなら


 燃料員に向いている人はとういう人でしょうか?それは体力のある人、国語力のある人、計算ができる人、そして慎重な人です。

体力のある人。これは石油会社からのドラム缶納入時など体力をとても使うからです。ドラム缶は1缶100キロから250キロ位するもの(油の比重による)、それを在庫管理するために1日30本前後並べることもしなければいけません。また、滑走路上はとても暑いので暑さにも耐えないといけません。

次は国語力のある人。燃料員のお仕事は危険物取扱者という資格で出来るものなので、法律などの規制の意味を読めないといけません。法律文書は堅苦しく、ひとつの条文も長くまわりくどいので、この文章を読んで理解できる必要があります。

そして計算ができる人。燃料の計算には計算が不可欠です。燃料の単位は一般的にはリットルですが、飛行機の場合はポンドかガロンになります。リットル単位をポンド・ガロン単位に換算して給油しないと、燃料が多かったり少なかったりして飛行機の飛行に大きな影響を与えます。実際に北米大陸で起きた航空機事故(旅客機)ですが、単位換算を間違えて給油したために燃料不足となり墜落したことがありました。

※1ガロン(米ガロン) = 3.78リットル (英ガロン) = 4.54リットル
※1ポンド = 0.58リットル

慎重な人?燃料は燃えやすいので、危険物を取り扱っているという慎重さがとても大切になります。発火した場合の被害は大きいので慎重の上に慎重さを重ねられる人が必要です。
飛行機に近づくタンクローリーのマフラーは前のバンパーの下に付いています。これはホースが切れて燃料が漏れた場合に引火を防ぐためのもの。それだけ慎重さを大切にしています。

基本のキホン


 燃料は大切!と同時にとても厄介な危険物です。そして暑さ寒さの影響をもろに受けるデリケートな代物でもあります。

そんな気難しい燃料を常に提供できるように保管・管理し、必要なときに必要な分を給油できるようにしてくれているのが燃料員の方々です。

飛行機や車、機械が動くのは当たり前ではないのですが、これを当たり前にできるように支えてくれています。

今日も日本各地の基地で給油などの燃料補給にがんばられている燃料員の皆様に∠(^-^)敬礼!

今日はこの辺でm(_ _)m

【今日のポイント】
◎燃料員は油の専門家、航空自衛隊の油をすべて扱います。
◎乙4の資格は必須!
◎航空自衛隊の乗り物を動かせるようにする。

※この動画は 陸上自衛隊 広報チャンネル さんの投稿です。ありがとうございました!


【関連リンク(註)】
・隊員の仕事|航空自衛隊について|[JASDF] 航空自衛隊
http://www.mod.go.jp/asdf/about/work/

・防衛省・自衛隊:資料13 主要航空機の保有数・性能諸元
http://www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2013/pc/2013/html/ns013000.html

・【航空自衛隊×職種】40の65は戦うために! 航空自衛隊の職種大全 Episode0(ZERO)
http://koukuujieikan.seesaa.net/article/393576433.html

・一般財団法人消防試験研究センター
http://www.shoubo-shiken.or.jp/

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