【航空自衛隊×職種#14】気象観測員-空を測る人


金沢21世紀美術館。

美術館のなかでも多くの観客を集めるところとして知られています。そんな金沢21世紀美術館にあるのが雲を測る男という作品。男性がものさしで雲を測っています。どれくらいの大きさなのでしょうか?どれくらいの高さでしょうか?

航空自衛隊には雲を測る男ではなくて、空を測る人たちがいます。

今日は航空自衛隊で空を測る人たち、気象観測員のお話です。
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※「航空自衛隊の職種大全」は航空自衛隊の職種を紹介する連載記事です。航空自衛隊はどういう仕事をしている?、航空自衛隊に入ったらどういう仕事をしたい!するの?というギモンに答える連載です。これまでの記事は航空自衛隊の職種の中にあります。よろしかったらご覧ください∠(^-^)

気象観測員って?


まずは気象観測員の基本的なデータとして…

特技名:気象観測員(きしょうかんそくいん)

職域名:気象(きしょう)

学ぶ所:第4術科学校(熊谷基地)

働く場所:航空自衛隊の飛行機のある基地など。

所属先:航空支援集団(こうくうしえんしゅうだん)航空気象群(こうくうきしょうぐん)の各地の気象隊

主な仕事:

1 気象状態の観測や関係機関への通報をすること。
2 今後の気象状況の予報・解析などをすること etc。

取れる(かもしれない)資格:気象予報士、大型自動車免許など。

というもの。航空自衛隊の中で気象庁の仕事をしている人たちです。

天気を見る


 航空自衛隊の気象庁な気象観測員という人たち。この気象観測員のお仕事は現在の気象状況の観測、飛行部隊など関係部隊への通報、近い未来の気象状況の予測とその分析など。航空自衛隊の気象観測に関するお仕事を一手に担っています。

気象は人間の手でどうこうできないもの。だからこそ、観て、分析し、将来を予測して行動するしかありません。

人間の手でどうこうできないのに人間に大きな影響を与える気象ですが、飛行機も無関係ではいられません。

飛行機 VS 天気


 航空自衛隊の持っている飛行機は軍用機です。イメージとしては武装していかめしくなんでもできそうな感じですが、その軍用機も天気には弱いです。雷をくらえば電子機器は損傷、翼に氷が着けば重くなって思うようには動けないなど、気象現象は大敵です。

そして空に浮かぶ雲。ぷかぷかと浮かんで自由な感じですが、飛行機にとっては単なる障害物です。飛行機が飛ぶ高度に雲がたくさんあるとパイロットの視界が遮られてしまいますから。(逆に雲を利用することもできますね)

風も…吹く方向によっては飛行機を転ばせるもの。特に離発着のときの飛行機は一生懸命に空に昇ろう・空から降りようとしています。そんなときに横風が吹くとコテンとひっくり返ってしまいます。

人間の技術の粋である飛行機も天気にはなかなか勝てません。では、この飛行機を天気に負けないように、安全に飛ばすことはできないでしょうか?

空を測る


 ここで気象観測員の人たちのお仕事です。気象観測員はひと言でいうと「空を測る」ことを仕事にしています。

この空を測るということ、それは空の状態にいろいろな基準を設けて飛行機にとって危険な空の状態を避けようという仕組みです。積極的に天気を打ち破ることは人間にはできませんので…

基準という人間側の尺度で空を測って、危ないところは避けて飛びましょうよ!

ということにしました。一見、消極的ですが危険を回避することも人間の知恵です。いまの気象状況を観測して、基準という尺度で空を測り、危険を回避させるのが気象観測員の仕事ということですね。

気象を利用したほうが勝つ!


 人間は誕生以来、天気と付き合ってきました。農業でも工業でもその点は変わりません。軍事の世界でも天気との深いもの、古今東西の戦争では気象を利用して勝利した例もあります。

日本の例で言えば、日本海軍連合艦隊による真珠湾攻撃(ハワイに接近する低気圧を利用)、キスカ島撤退作戦(霧の発生に乗じて陸軍部隊を収容して撤退)、鳥羽伏見の戦い(霧)海外の例ではワーテルローの戦い(こちらも霧)やナポレオンのモスクワ遠征(雨期に入ってしまい道路がドロドロに。その遅れで冬を迎える)など、さまざまな事例があります。

気象は人間の手が及ばない中立の存在ですから、その気象をうまく利用したほうが勝ちやすいということですね。

戦場の勝敗を決める気象とまではいかなくても、雲が多いのなら遠回り必要がある!だから燃料を多めに積んでおこう!!とか、翼が凍りそうだからこの高度で飛ぶのはやめておこうなどの判断に気象データは役に立ちます。

どういう人が向いている?


 協調性と知りたい!何で?という探究心、そして健康な人です。

気象状況を観測して通報、分析・予報するという人間側の流れは、とても多くの人が関わる流れです。気象観測員が観測したデーターを分析する人、観測・分析を基に近い将来の気象を予報する人など多くの人が関わります。また、加工された気象情報を受ける飛行部隊などもありますから人・人・人です。そんな中では協調性は不可欠となります。

そして探究心。気象という未知のものを取り扱う仕事ですから、未知なるものへの憧れ、知りたい!調べたい!答えを!という探究心がないと難しいと思います。もうできあがった仕組みをするだけの仕事ではないからです。

健康な人求む!気象観測員は24時間365日の観測をしています、となると交替制の仕事です。夜勤の仕事は健康を損ないやすいので健康面のタフさは必要です。

全世界のために空を測る人たち


 航空自衛隊の飛行機のため、はたまた世界各国の飛行機のために空を測り続ける人たちが気象観測員です。

世界各国?日本のためだけじゃないの?

気象観測員が観測したデータは世界各国で使われるもの、自衛隊に限らず民間の飛行機も航空自衛隊の気象観測員が観測した気象データを利用しています。そのために毎日毎時間欠かさずに気象データを観測して通報されています。

日本の空の軍事的安全を支えると同時に、世界の飛行機の安全運航を支えているのが気象観測員。今日も空を測る気象観測員の皆様に敬礼!∠(^-^)

今日はこの辺でm(_ _)m

【今日のポイント】
◎空を測るのが気象観測員です。
◎気象を利用したほうが勝ちました。
◎日本の空、世界の空の安全を守るためのデータを提供し続けています。

※この動画は 陸上自衛隊 広報チャンネル さんの投稿です。

ここで学びます。

※この動画は ohiko2000 さんの投稿です。

基本的には目で見て観測しますが、こういった器材を使っての観測もします。

【関連リンク(註)】
・隊員の仕事|航空自衛隊について|[JASDF] 航空自衛隊
http://www.mod.go.jp/asdf/about/work/

・[∠(^-^)]【航空自衛隊】40の65は戦うために! 航空自衛隊の職種大全 Episode 0(ZERO):航空自衛官になりたい人
http://koukuujieikan.seesaa.net/article/393576433.html

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