【軍隊≠警察】軍隊の3つの力 - 知っておきたい!仕組みとしての軍隊#4


今日、集団的自衛権の使い方を整理した方針が政府から示されます。

集団的自衛権の有無については過去の国会などで解決済みなので、整理して使い方を示すこと、どこまで行くの?誰と同盟するの?などの具体的な議論の始まりにするのが目的です。

集団的自衛権の行使よりも大事なこと、それは軍隊とは?という問題です。軍隊がどういう性格で、どういう力の使い方をする?などの軍隊への共通理解が無い状態での話は、軍隊の使い方を間違える始まりです。

今回は「軍隊の力ってなに?」という話、軍隊は3つの力があります。

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※前回までの記事はこちらです。

#1 知っておきたい!仕組みとしての軍隊

#2 国家or政府!? 軍隊はどこに所属する?

#3 これしかできない or これ以外はしていい! 軍隊の力の使い方

軍隊とは?のおさらい。

 合法的な武装組織(#1)
+国家直属で自前で人とモノを管理する自立型組織(#2)
+「これはしちゃダメ。でもこれ以外は自由にしていい」という力の使い方(#3)
+混乱のなかから秩序を作り出す(#3)
=軍隊

組織力 + 攻撃力 + 補給力 - 軍隊の力


 軍隊というと統制された集団、重火器で武装した組織という印象です。この軍隊へのイメージはあたっているもの、軍隊は警察と比較して大きな組織力と攻撃力、そして補給力を持っています。

この違いは#3で説明したとおり、軍隊が混乱した中から秩序を生み出すための組織であることからきています。これをさらに詳しく見れば…

警察 → 平時の秩序を前提に行動する組織 + 平時の秩序維持を担当。
軍隊 → 戦時を想定して行動する組織 + 平時の秩序が他国の軍事力等で強制崩壊した時に出動。

となります。警察はいまある秩序を維持管理し、軍隊は混乱した状況で、相手により壊された(+壊されそうな)自国の秩序を再構築するために相手軍を排除します。

この軍隊の目的が、大きな組織力と攻撃力、そして補給力を生み出す理由になります。

組織力 - 集団と個人


 軍隊は混乱した地域での行動を前提にしている組織です。混乱した地域で軍人ひとりひとりがバラバラに行動すると、秩序の再構築は難しくなります。そこで、上から下までのスッキリとした命令系統で集団行動をとります。個人ではできない仕事も集団ではできるということですね。

一方の警察は個人で行動するもの。力の使い方はあくまでも警察官個人が考えて行います。警察のなかで集団行動をとるのは機動隊くらいです。

攻撃力 - 重火器と小火器


 軍隊と警察が一緒なところ、それは「武装している」点ですが武装の内容は違います。軍隊は戦車や軍艦、戦闘機にミサイルで武装、警察は拳銃などの小さめの銃器で武装しています。この違いは軍隊と警察の違いからくるもの、軍隊は秩序の再構築のために相手軍隊を排除するからです。他方の警察は、いまある国内の秩序を維持できて、警察自身が秩序を乱さない程度の武装にとどまります。この視点を箇条書きにしてみましょう。

【軍隊の武装は…】
・目的のために相手軍を攻撃して撃滅・排除できる武装。
・相手軍の兵員や兵器を必要な程度で殺傷・破壊できる武装。

【警察の武装は…】
・いまある治安の維持ができて、国民生活を侵害しない程度の武装。
・犯罪者を逮捕できる程度の武装
(警察は犯罪者を生きて逮捕して、裁判所に裁いてもらうのがお仕事です)

という感じです。

補給力 - 自己完結能力


 軍隊は「自己完結型組織」(じこかんけつがたそしき)といわれます、自衛隊もそうです。この「自己完結型」というのは…

軍隊が自前で人と物資を維持管理して、必要なときに必要なだけ取り揃えて使えること

です。この自己完結能力のおかげで自衛隊は東日本大震災でも活動できました。軍隊には必要な分の物資が常に保管されているので、すぐに行動でき長期の活動もできる、そして軍隊外部からの補給に頼らなくても大丈夫です。(人や物資は自前で運ぶこともできます)

では警察はどうでしょう?警察は補給については完全に外部依存です。警察署などには物資はそれほど保管されていませんし、電気・ガス・水道・電話などのインフラは所在地の会社頼みです。(軍隊は自前で発電・浄水・いろいろなところへの通信ができます)

力の違いは歴然


 軍隊の力は組織力+攻撃力(防御にも使えます)+補給力でした。この差は目的からでるもの、軍隊と警察の活動自体にも大きな影響を与えます。

この力の違いを踏まえておかないと軍隊の使いどきや使用法を間違えます。

集団的自衛権の使い方を検討する!ことはクリアーしましたから、これからは集団も個別も含めた自衛権の具体的な使い方を政治側で考えて、実践することが大切だと思います。

今日はこの辺でm(_ _)m

次回は軍隊と警察での「個人と集団」の関係について。今日も少しだけ触れた個人と集団を掘り下げていきます。

【今日のポイント】
◎軍隊は組織力・攻撃力・補給力という力を持っている。
◎軍隊は自前で人と物資を持っているので、自律して行動できる。
◎軍隊の重武装には意味がある。

※この動画は JGSDFchannel さんの投稿です。ありがとうございました!


【参考になる本】
軍隊と警察を知る唯一の本かもしれません。


仕組みとしての戦争を解剖する本です。

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