【軍隊≠警察】国家or政府!? 軍隊はどこに所属する? - 知っておきたい!仕組みとしての軍隊#2

自衛権の話題が大きくなる中、決定的にかけているのは…

軍隊とはなにか?という視点です。

昨今の自衛権の議論はあくまでも自衛権の使い方のお話。軍隊ってなにものなの?という視点が無いために使いどきを間違えたり、使用方法を間違えます。

今回は「軍隊ってどこに所属するの?」ということについてです。

この所属先が軍隊の性格や仕事に大きな影響を与えています。

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※前回までの記事はこちらです。

#1 知っておきたい!仕組みとしての軍隊 #1

軍隊の所属先が問題になる理由 - 組織の性格


 軍隊がどこの所属しようが関係ない!とはいえないんです。軍隊はその所属先によって性格が変わってしまうからからです。自衛隊を例に取りますが、自衛隊はひと言でいうと「警察未満・軍隊未満」という組織の性格になっています。

このように、所属先によって組織の性格が変わり、それに伴って武器の使い方、行動の仕方、活動範囲などが大きく変わってしまいます。そして、その性格が後々まで影響を与えます。

三つ子の魂百まで!AKBの人はずっと元AKB!という感じです。

国家なの政府なの - 軍隊の所属先


 では、軍隊はいったいどこに所属するのでしょうか?答えは…

国家

です。軍隊の所属先は国家であって政府ではありません。政府は国家機関のひとつ、軍隊も国家機関のひとつ、軍隊と政府は同列の扱いなのです。だからこそ、明治以来の戦争では軍部と政府の連絡会議が設置されました。

この意味では、主権というものは軍隊と政府に分けて存在し、軍隊は武官としての代表、政府が文官の代表となります。

所属先の2つの意味


 軍隊の所属先は国家を分かりました。この所属先には2つの視点があります。それは国内的なものと国外的なものです。

まずは国内的なもの、これは合法的な武装集団か、非合法な武装集団かという視点です。軍隊も警察も、非合法武装集団と比較すれば国家に所属する合法的な武装集団です。これが第一の所属です。

次の所属は、国家直属なのか行政機関の一部なのかという視点です。この視点が軍隊の所属先の問題で重要になります。第二の所属の問題です。

軍隊 → 国家直属の国家組織。人やモノを自分で管理する国家内国家。
警察 → 政府という国家機関の一機関。

というもの。軍隊は国家の3権力(行政・立法・司法)から離れた組織で3権力とも同列、しかも国家内国家として自律して行動できます。一方の警察はあくまでも行政権の一部、その行動は何から何まで拘束されます。

国家内国家として自律して行動できる軍隊だからこそ、以前のタイ国軍のようにクーデターを起こして政府を交代させるということもできます。

国家内国家の軍隊ですが、自由気ままに行動できるのでしょうか?

シビリアン・コントロール - 文民統制の仕組み


 軍隊は国内でも国外では自由気ままには行動できません。それはシビリアン・コントロールという仕組みがあるからです。このシビリアン・コントロールというのは・・・

国家内国家として自律的に行動できる軍隊を制御するために、政治的正当性を持ち、軍人でない人が軍隊全体の指揮権を持つ

という仕組みです。指揮権を持つ人は「政治的正当性(選挙で当選した等) + 軍人でない」というのが基本条件ですから、日本のように「文官(官僚)統制」ではありませんし、何でもかんでも拘束するものでもありません。

また、シビリアン・コントロールは、軍隊の性格(国家直属で自律的行動)からの行動と政治が作る戦争目的の調和を求める仕組みでもあります。蛇足ですが、警察にはシビリアン・コントロールはいりません(行政権の一部ですから)

ちなみにシビリアン・コントロールには、2つの手法があります。一つ目は「軍人の文民化」(政治一辺倒にして軍人の牙を抜くこと。軍人の政治活動などが弊害)、2つ目は「軍人の専門化」(軍人はより専門化させる。ただし軍事の視点だけになりやすい)があります。

ブレる日本


 軍隊は性格として国家内国家となり、自律して行動する。だからこそのシビリアン・コントロールでした。

 ただ、日本では政治と軍事のちょうどいい距離感がありません。戦前では軍事が政治に過剰干渉(政府方針に反逆など)、戦後は政治が軍事に過剰干渉(ルワンダやモザンビークでのPKOに機関銃何丁もっていくかを国会で議論など)とちょうどいい距離感を持てないままです。

シビリアン・コントロールは政治と軍事の協調と相互の尊重、そしてお互いの自制で成り立つものです。

ここは軍隊の基本的性格を踏まえて、シビリアン・コントロールにも目を向けるのはいかがでしょうか?でないと警察では対応できないから自衛隊を出したのに、できることは警察以下なんて冗談な状況が起きます。

今日はこの辺でm(_ _)m

次回は「軍隊の権限の決め方はどうなの?」です。権限は力の使い方、その決め方次第で警察以下という冗談な状況が出現します。

※この動画は JGSDFchannel さんの投稿です。ありがとうございました!


【今日のポイント】
◎軍隊は国家に所属します。
◎軍隊は国家内国家として行政・立法・司法と同列の存在です。
◎軍隊は自分で人とモノを管理して自律的に動けます。
◎軍隊の性格(国家内国家・自律的行動)があるからこそ、シビリアン・コントロールが必要です。

【参考になる本】
仕組みとして軍隊と警察を知る唯一の本かもしれません。

こちらは仕組みとして戦争を解剖する本です。

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