【軍人×処遇】軍人に報いる3つの理由


軍人という人たち。

古今東西の歴史をみても、常に存在する人たちです。軍人にはさまざまな制限が課されると同時に、軍人が仕事を行うことに対しての報酬が与えられています。

今回は、軍人さんたちに報いる訳についてです。報いるにはそれなりの理由があるんです。

※以前に書いた記事を再編集しています。新しい項目を立てたり、誤字や重複した文章を改善しています。(平成26年(2014年)11月21日)最近にNFLのsalute to serviceのことや自衛隊の追悼式のことを書いたので、こちらも書きなおしました。

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軍人とは?


 軍人とはどういった人たちなのでしょうか?ごくカンタンにいえば「守る人たち」です。人間が何らかの共同体(社会とか組織とか)を作って生活している以上、他の共同体との衝突は避けられません(価値あるものは有限ですが欲望は無限です)。そこで自分の共同体を守ることを目的に、他の共同体とのイザコザを解決する手段のひとつとして軍事力が見出され、その軍事力の担い手として軍人が生まれました(あくまでも私の理解です)

軍人の内容は傭兵の時代から封建制の時代、国民軍としての軍隊など、時代とともに常に変わっています。

※自衛官は軍人か?という議論がありますが、ここでは軍人とします。自衛隊自体が「日本」という共同体の守り手として国内的に広く認識されていること、国際法では自衛隊は交戦者資格を持つ交戦団体とされていることが理由です。

軍人に報いる理由-3つの制約


 共同体側が求める軍人という存在、では共同体側が軍人に報いなければいけない理由はなんでしょうか?それは、共同体というある意味でフィクションなことを維持するための代償を軍人に支払わせるからです。

より具体的にいえば軍人という仕事を選んだ人たちの人生に以下のような3つの制約を課すからです。それは…

・軍人として訓練してきた技術を無駄にさせること。
・死に直面させること。
・政治の「道具」として使うこと。


です。

1 軍人として訓練してきた技術は無駄にさせること
 これは軍隊の本来的な仕事である戦いで強く出てくる面です。軍隊は外国軍と戦うことで政治が掲げる目的を達成することを仕事にしています。そのために毎日毎日、戦う訓練しています。

この訓練ですが、共同体側が軍隊に戦闘行動を命じることが無い限り、活かされることはありません。具体的な仕事でいえば歩兵や軍艦乗り、戦闘機パイロットが典型的です。

10代、20代で入隊して50代半ばまで訓練してきた戦闘技術は基本的に活かされることはないのです。例えるなら、一生懸命に舞台演劇の練習をしても、舞台に出演することがないことと同じです。

自衛隊だと「災害派遣などで活かされるのでは?」となりますが、災害派遣で活用されるのは、射撃や砲撃、空戦技術という戦闘技術そのものよりも、普段からの訓練で培われた精神力(へこたれない気力や使命感など)や体力(持続力)のほうが大きいと思います。

2 死に直面させること
 軍人は戦場で活動する人たちです。戦場とは死傷が日常化した場所、互いに殺傷しあって、互いに死傷するのが軍人です。それが生身の戦場であっても、無人機を通した戦場(この場合は相手方の死傷)であっても、軍人は常に死に直面します。

軍人は、傷つける人であると同時に相手方に倒される被害者です。軍人が仕事にしている戦闘ですが、軍人自身も好きこのんで行っているわけではありません。実際問題、軍人のうち98%は相手方兵士らを殺傷したことで鬱状態になるそうです。治療方法もありますが、戦いが終わった後も精神的負担からは逃げられないのが現実です。(アフガニスタンやイラクから帰還した米復員軍人の現状が物語っています)

死という現象から一生懸命に遠ざかろうとするのが人間の性(さが)なのに、軍人には死に向かって行け!と命じるわけです。

3 政治の「道具」として使うこと
 軍隊は政治の命令で動きます。政治側が戦ってまでも手に入れたい政治目的を掲げたときに軍隊は動き出します。軍隊は持っている人員や装備を活かして政治の目的達成に役立つ軍事的成果を得ようとします。軍隊が戦って得た軍事的成果を活かして、政治目的を達成するのは政治の役目です。

軍隊は政治と共にあります。軍人の命は政治のものとも言えるわけです。

※「道具」という言葉は例えです。ご了承ください。

軍人の処遇 - 冷遇から『礼』遇へ


 共同体維持の代償、軍人の人生に対する制約の存在が軍人に報いる理由です。こう考えると、軍人というのはとても辛い務めです。自分の命も自分のものではない、命じられれば戦場で自らの命を的にし、心に深い傷を負う…それに耐えられる方達が軍人の皆さんなのだと思います。

何十年訓練してきても、実際の戦場ではわずかの時間で死傷していく現実があります。その代償を支払わせる側の共同体側に軍人に報いる心構えはあるのでしょうか?と思うことがあります。

軍人への報酬は守る仕事を行うことに対してのもの、いざという時には普段の報酬の代償として軍人の命を要求するものです。それが十分かはどうかは時代によって変わるものですが、少なくとも「軍隊なんて絶対不要」とか「ムダの極み」といって普段はけちょんけちょんに扱いながら、自分が必要なときには「こんなときに何してんじゃ!さっさとやれやヾ(*`Д´*)ノ"」というのは無理難題のような気がします。

軍人に相手方を死傷させ、自分も死傷させられることを求める以上、共同体側は軍人をどう処遇していくかを考えないといけないと思います。軍人の処遇が、軍人なんぞいらんのじゃ!という冷遇から、軍人の仕事への理解に基づいた相応の礼儀という礼遇に変わっていけばいいな~と思う今日このごろです。

以上、うさぎの耳(@usaginomimi)でした!m(_ _)m

【うさぎの耳的な今日のポイント】

  • 軍人は「守る人」たちです。

  • 軍人は共同体維持の代償を身をもって支払わせられる仕事です。

  • とても辛い仕事です。

  • 共同体側は軍人の処遇を真剣に考える必要があります


【関連リンク(註)】
・【nfl×military】salute to service 軍人に感謝!なNFL
http://koukuujieikan.seesaa.net/article/409184674.html

・【陸海空自衛隊】自衛隊と1851名の隊員

http://koukuujieikan.seesaa.net/article/409202030.html

この記事へのコメント

  • totocyan

    なるほど。軍人に報酬を払う意味。命をかけて国を守ってくれるから。それだけではないんですね。

    目からうろこでした。
    2011年04月07日 09:45
  • うさぎの耳

    totocyanさま

    こんにちは!コメントを戴きありがとうございました。

    軍人への礼遇に興味を持っていただいて幸いです。

    平時から礼遇を考えておかないと、戦時には間に合いません。

    報酬はもちろんのこと、叙勲やその使命感への顕彰などいろいろと考えないとならないですね。

    2011年04月08日 16:19

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