【戦国策×現代】宰相に適任なのは誰?-戦国策を読む


一国の指導者。その人は国家の存続や国民生活の安定など重い務めを果たさないといけません。

その昔、隣国の宰相就任について謀られた策がありました。




【戦国策とは?】
 古代支那大陸の戦国時代における各国の動向や説客(戦略家や外交家、弁論家)の働きを記録した書籍。前漢時代に劉向が編纂した。戦国時代には秦・趙・韓・魏・楚・燕・斉の戦国七雄、宋・東周・西周・中山などの国々がそれぞれの生き残りと天下統一を賭けて争っていた。

より詳しくはこちら(wiki) 戦国策の一覧(rakuten)

【今回の登場国・人物】
・懐王 楚の国の王。
・范環 楚の臣。
・甘茂 秦の臣。秦の国で数々の重職を経た人物。


 楚は北方の強国秦の動向に常に気を配っていました。そんな時に秦の国で宰相が交代することになりました。そこで懐王は、できれば楚に有利になるような人材を秦の宰相の地位に就けようとします。懐王は范環に相談します。

懐王「秦の宰相に甘茂を就けようと思うがどうか」

范環「それは絶対にいけません。楚の為にはなりません」

と答えます。なぜでしょうか?

甘茂が宰相になってはいけない理由

それは甘茂が優秀だからです。そのような賢人が秦の宰相に就任すれば楚にとっては大患です。范環は楚がかつて用いた策を挙げて懐王を説得します。

「王様には越の国を攻め落とす際に、事前に腹心を越の国の要職に就けました。越はこの人物を用いたことにより、混乱し楚によって滅ぼされることになりました。」

「この先例に学べば、秦の宰相に甘茂を就任させてはいけません。秦が強くなることは楚にとっては好ましくないこと。」

「秦の宰相には甘茂ではなく、秦王の親族の者を推薦なさいませ。凡庸でありますし、王にとって近親者ですから、将来の内乱の種を撒くこともできます」

と述べます。

この策の顛末は記されてはいません。この策から見えてくるのは、隣国は弱いに越したことはないという考え方です。強いほうがいい場合もありますが、それもあくまでも自国にとってコントロールできる範囲内の話です。

「隣国だから仲良く」というのはある種の希望で、現実は隣国だからこそ仲良く出来ないというのが多いと思います。良い面も悪い面もよく見えますから。日本国内でも、その都道府県の県民性などを知りたいと思ったら、隣の都道府県民に聞くといいと言いますしね。

国家間の虚々実々の駆け引きから目が離せませんね。

【今日のポイント】
◎隣国は自国のコントロールの範囲内で活動してもらいたいのが国際関係。
◎近いからこそ嫌うという面も。
◎勝負に勝つ方法、それは弱い相手と戦うこと。

【参考文献】

LINK
戦国策(1)(東洋文庫)東周から斉の話が載っています。

戦国策 (2) (東洋文庫 ) 斉から魏の話
戦国策 (3) (東洋文庫) 魏から中山の話

この記事へのコメント


この記事へのトラックバック